Date July 12, 2016
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先日Rebuild.fmを聞いていたら、Planというカレンダーベースのタスク管理システムが紹介されていました。自分も最近カレンダーベースがいいかもなと思ってToDoリストメインから移行したのでそこに至った経緯を書いてみようかと思います。

きっかけはproductivityistというpodcastの1エピソードを聞いたときでした。ゲストのKevin Kruseさんは成功者の習慣をテーマに、7人の億万長者、13人のオリンピックメダリスト、29人のオールA成績保持者、239人の経営者を調査・インタビューした本を出したそうです。

追記:日本語版も出てるみたいです。

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24分すぎからタスク管理に話が移り、そこで話されていたことがとても印象的だったのでなにかと影響されやすい自分はさっそくKindle版をポチってみました。

実際読んでみると、著者自身の体験と調査対象の人たちの発言、科学的裏付けの3つの要素で構成されていて、ちょっととっ散らかってる感はあるものの、各章は短くまとまっているし文章自体も読みやすい英語で書かれていたので気軽に読める感じでした。

問題点

タスク管理にToDoリストを使うな、というKevinさんの主張はこの記事にもまとまっていますが、本だと第3章にもうちょっと詳しく書いてあります。

ToDoリストでタスク管理をする場合の問題点は、「各タスクが一元的に積まれている」というところにあります。タスクを一瞥しただけではそのタスクがどのくらいかかるのか、どれほど重要なのかということがわかりづらいということです。

その結果、次のタスクを消化しようとするときに結局リストすべてをレビューしなくてはいけなかったり、瞬時に判断しやすい「簡単である」か「緊急である」タスクを優先して、「重要な」タスクを後回しにしてしまったり、さらにはリストに未消化のタスクが積んであるのを見るだけでストレスになったりする(ツァイガルニク効果による)そうです。

実際この辺りの問題点ってGTDとかを実践してる方にとってはNext Actionや日次、週次レビューでカバーしたり、何が重要かを常に意識するマインドセットになってるのでしょうが、なんでもかんでもリストに放り込む使い方をしてた自分にとっては身につまされる思いでした。

「ToDoリストに積まれている項目のうち41%は永遠に実行されない」という統計データもかなり自分の経験に近くて耳が痛いです。

解決法

Calendar*
flickr photo shared by DafneCholet under a Creative Commons ( BY ) license

それでは、どうすればいいのかというとカレンダーにすべての予定を書いておき、そのスケジュール通りに行動するのです。まあ実際やってみようとするとわかりますが、いうほど簡単なことじゃないです。そこで予定を決める際のいくつかのTipsが紹介されてます。

  1. やるべきことを決まった時間に割り当てる (必要ならばリピートさせる)
  2. 重要なことは一日のできるだけ早い時間に割り当てる
  3. 一度予定を立てたら取り消さず、必要ならば遅らせる、ただし!
  4. それぞれの予定は病院の予約をしたかのように扱うこと

3と4が特に肝かと。事前にスケジュールしたからといって、何が何でもその通りに動かなくてはならないわけではないんです。さっきのpodcastのエピソードでは「今日は素晴らしい天気だから午後からは予定を変更して子どもたちと外へ出かけよう」という例が紹介されてます。最も重要な事は午前中に終わらせているので、そういう判断もできるとのこと。

一方で、なんでもかんでも予定を遅らせていたら終わるものも終わりません。そこで一度決めた予定は病院の予約や取引先とのアポイントと同じようにします。つまり15分予定を遅らせることは取引先とのミーティングに15分遅れていくことと同じです。それをするだけの特別な理由がメールや友人のFacebookをチェックすることにありますか?

驚いたことに、タスクをカレンダーに落としこむだけで、実際に行動せずともツァイガルニク効果によるストレスが軽減されるという研究結果もあるそう。ToDoリストに積みっぱなしのタスクは一月先、半年先でもいいのでまずスケジュールしてしまいましょう。

自分の場合

環境としては、家でも研究室でも作業でき、ミーティングが多すぎない程度には定期的にあり、割り込み作業がほとんど発生しない(大抵非同期コミュニケーションで解決)という感じです。ツールはOS X標準のカレンダーと、タスクの一時退避用にTodoistのフリー版を使っています。

  1. とりあえず日時が決まっている予定は事前にすべてカレンダーに放り込んでおきます。
  2. タスクが発生した場合、
    1. 2分以内にできることならその場でやる(GTDっぽく)
    2. 日時が指定されている場合はカレンダーに記録
    3. それ以外はTodoistに放り込みます(プロジェクトごと)
  3. 1日の最後に翌日の予定を立てます。Todoistにたまったタスクをカレンダーにマッピングしていきます。
  4. 1日の最初にもう一度確認します。後は予定通りに1日を過ごすだけ。

タスクと予定は必ずしも一対一対応しないこともあります。殆どの場合一つのプロジェクトに関する複数のタスクはそのプロジェクトの作業予定としてまとめて時間をとります。

時間をポモドーロ(25分)単位で管理していて、各プロジェクトを最低1ポモドーロはやることにしています。その他重要度に応じてプロジェクトごとのポモドーロ数を調整しています。

こうしておくと各プロジェクト毎日必ず何かしらの進展があり、プロジェクトごとの作業時間もカレンダー上で可視化できるので今のところ気に入っています。

一日を予定通りに過ごすことを始めてから、8ポモドーロを超えると集中力がガクッと落ちることに気が付きました。今後の課題です。

まとめ

ToDoリストからカレンダーベースのタスク管理に移行した話を書きました。予定を事前に立てておくとその通りに行動することに適度な緊張感と達成感がある気がします。作業の内容と環境によってはうまく適用できないこともあるかもしれませんが、一度試してみてはいかがでしょうか。

カレンダーを用いたタスク管理以外にもいろいろなことが書かれているこの本。おすすめです。

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